FXのチャート分析に使うインディケーターは数多くあります。
この記事で説明する「移動平均線」は最も有名なインディケーターのひとつです。
チャート分析に「移動平均線」を使っている人が多いので、移動平均線を意識した動きになりやすいというのも大きいですね。
FXで利益を出したければ、チャート分析の基本である「移動平均線」の使い方や有効な設定を理解しておきましょう。
この記事では下記の内容について解説します。
ポイント
・移動平均線とは何か
・移動平均線の設定
・移動平均線の使い方
移動平均線とは
移動平均線とは、設定した期間のローソク足の終値の平均値を線でつなげたものです。
期間は設定で変更できます。
例えば設定した期間が「5」の場合、日足であれば5日分、1時間足であれば5時間分の平均をとることになります。
さらに移動平均線には種類があり、それぞれ特徴や計算方法に違いがあります。
代表的な4種類の移動平均線について解説します。
※この記事では分かりやすいように日足チャートを例にして、期間は5の場合(5日移動平均)で説明します。
単純移動平均(SMA)
Simple Moving Averageの略。
単純に設定した期間の終値の平均をとったものです。
当日の移動平均の計算式は
(当日の終値+1日前の終値+2日前の終値+3日前の終値+4日前の終値)÷ 5
当日の数値を当てはめて計算すると
(107.800+107.600+107.400+107.250+107.150)÷ 5 = 107.44
比較的なめらかな波形となり、ローソク足から少し遅れて山や谷ができますね。
指数移動平均(EMA)
Exponential Moving Averageの略。
期間内の終値を単純に平均するのではなく、直近の終値を重視した平均の取り方をします。
当日の移動平均の計算式は
((当日の終値×2)+(1日前のEMAの値×4))÷ 6
当日の数値を当てはめて計算すると
((107.800×2)+(107.381×4))÷ 6 = 107.521
実際の値動きに近い線になり、SMAに比べて山や谷の形成が早くなります。
トレンドの変化点をいち早くとらえたい場合はEMAの方が有利だと言えますね。
平滑移動平均(SMMA)
Smoothed Moving Averageの略。
期間外の過去の値動きも考慮されているため、単純移動平均線よりも滑らかな動きになります。
当日の移動平均の計算式は
(当日の終値+(1日前のSMMAの値×4))÷ 5
当日の数値を当てはめて計算すると
(107.800+(107.338×4))÷ 5 = 107.430
全体的に滑らかな動きで、上下の動きもゆるやかな線になります。
加重移動平均(LWMA)
Linear Weighted Moving Averageの略。
EMAと同様に現在に近い方の値動きを重視した動きになります。
当日の移動平均の計算式は
((当日の終値×5)+(1日前の終値×4)+(2日前の終値×3)+(3日前の終値×2)+ 4日前の終値)÷(5+4+3+2+1)
当日の数値を当てはめて計算すると
(107.800×5)(107.600×4)+(107.400×3)+(107.250×2)+ 107.150)÷ 15 = 107.550
値動きに対して反応しやすい線になり、転換点をとらえるのは早い反面、大きなトレンドをとらえる場合には向かないようです。
移動平均線の種類比較
上記で解説したそれぞれの移動平均線を同じチャート上に並べたものです。
値動きに対して最も反応が早く大きいのはLWMAですね。
それに対して最も遅くゆるやかなのはSMMAです。
どれが優れているというわけではなく、自分のトレードスタイルに応じて選択することが大事です。
短期のトレードを繰り返す場合、長期的にトレンドをつかんでトレードする場合等で使い分けましょう。
移動平均線の設定
移動平均線の設定には、上記で紹介した種類の他に平均をとる期間の設定があります。
一般的によく使われる期間設定は下記の期間が多いです。
・5 (1週間のうち取引できる日数)
・20、21、25 (1ヵ月のうち取引できる日数)
・40、50、75 (2か月、3か月のうち取引できる日数)
・100 (半年のうち取引できる日数)
・200 (1年のうち取引できる日数)
ひとつだけ表示するより短期~長期を組み合わせて表示することで、トレンドを見ながらエントリーポイントや決済ポイントを判断するという使い方がお勧めです。
黄色で表される「SMA(100)」では長期的なトレンドを見ます。
チャートを見ると、短期的には上下を繰り返しつつもSMA(100)を意識したポイントで反転してる場所がありますね。
同じように青で表される「SMA(20)」では中期的なトレンド、赤で表される「SMA(5)」では短期的なトレンドを見ます。
それぞれで移動平均線を意識したポイントで反転している箇所が見て取れますね。
このように自分のトレードスタイルによって設定する期間は変えることも重要です。
スキャルピングのような短期的なトレードスタイルなら短い期間設定、スイングトレードなら中期や長期の期間設定でトレンドを見るようにしましょう。
移動平均線の使いかた
移動平均線の使い方としては、サポートライン(支持線)やレジスタンスライン(抵抗線)として見るようにします。
上昇トレンドでは移動平均線がサポートラインになりやすく、下降トレンドでは移動平均線がレジスタンスラインになりやすいということになります。
移動平均線を使う場合には合わせてローソク足の動きも見るようにするとわかりやすいと思います。
例として下降トレンド中のチャートを見てみましょう。
移動平均線をレジスタンスラインとして、ローソク足が移動平均線にタッチしたところで反転していますね。
トレンドが続いている間は同じように移動平均線をレジスタンスラインとして反発することが多いです。
しかし毎回反発するわけではなく、逆方向の勢いが強い場合には移動平均線をローソク足が抜けてきます。
そうなった場合にはトレンドが終わったり、トレンドが転換したりというきっかけとなることが多いですね。
ローソク足の見方はこちらの記事です。
まとめ
今回はチャート分析によく使われる「移動平均線」について解説しました。
よく使われるということは、移動平均線を意識したトレードをする人が多いということでもあります。
それが意味するところは、移動平均線がサポートラインやレジスタンスラインになりやすいということですね。
このように移動平均線は基本となるインディケーターです。
FXするならしっかりと理解しておきたいインディケーターのひとつですね。
それでは、よいFXライフを。
ボリンジャーバンドの使い方はこちらの記事です。